新しい 3D 画像化テクノロジーで、製紙業界での損紙・トリミング屑の使用を後押し

Numcore 社が開発し、インピーダンス断層撮影をベースにした測定装置で、加工工場のパイプラインやタンクの内部の 3D 画像をリアルタイムに生成します。パルプおよび製紙業界は、本テクノロジーをおおいに活用できる分野です。Numcore 社は最近、もっとも革新的な製紙技術企業として、フランスの ATIP 2010 Innovation Trophy を受賞しました。

製紙業界に関して言えば、Numcore 社は損紙・トリミング屑の能率的な活用に力を入れています。製紙工程において、損紙・トリミング屑の投入は重要なポイントです。損紙・トリミング屑は絶えず発生しているものの、投入の変動が、特にコーティングを施した損紙・トリミング屑の投入の変動がウェットエンド プロセスを混乱さる可能性があるためです。

測定装置は一部の紙やダンボールの指標として部分的に使用され、工場独自のモニタリング システムに加えて、Numcore 社の IT システムに接続されています。装置は流動体の異なるフェーズで導電率を常時測定する電極付き CoreApus 流水センサーとして知られてきました。

しかし、装置の生成する 3D 画像は非常に高度な数学的モデリングといった逆計算を使用しなければ生成することはできません。ここに、Numcore 社の中核を成す知識が凝縮されています。

「試験装置は私たちにとって非常に重要な製品開発ツールです。装置の測定データにより、私たちは質量流量の変動と製造上生じる特定の問題との間にある実際の相関関係を的確に察知できるのです。このおかげで私たちはモデリングの開発に成功しました。製造工程を直接調整したり、効率を上げたりするために測定装置によって生成されるデータを使用できるのです。」Numcore 社の販売マーケーティング事業部長ジュッカ ハコラはこのように述べています。

損紙・トリミング屑の投入を厳重に検査

試験工場の 1 つは、フィンランドの Kemi の町にある、Enso 社の Veitsiluoto 製紙工場です。ここでは、雑誌用の紙を製造する抄紙機 5 の損紙投入ステージに Numcore 社の測定装置を設置しています。損紙は原紙とコーティング紙の両方で構成されています。

Stora Enso、Veitsiluoto 製紙工場の工程開発マネージャー、ジュッカ ホウトマーキは次のように述べています。「ここでは精製と損紙の合計投入量の調整のほか、原紙の品質と抄紙機の性能を改善させるために原紙とコーティング紙の比率を調整しています。」

抄紙機の性能は非常に良かったため、需要のほとんどは測定装置に割り当てられたと、彼は述べています。

「Numcore 社の技術はシンプルで、工程の一部にセンサーを設置するのも簡単でした。センサーはおよそ 20 種の指標を生成します。この値はオペレーターのモニターに表示され、当社の Savcor Wedge 工程分析システム用の他の機械パラメーターと一緒にまとめることができるのです。これにより、たとえば、私たちは原紙の明度と個別の損紙の精製具合との相関性を見極められるようになりました。」

春には、損紙の精製に段階的な変更を伴う斬新な試験を実施予定です。変更点は測定システムの生成する、原紙の品質と、抄紙機の性能に関する指標に対して比較されます。

「この試験の中で、私たちは測定装置が実際に検出しているものを確認できるよう機械を調整します。試験は 4 月の終わりまで実施され、その頃には、この装置で私たちの製造工程の特殊な需要がどれほど満たされるかを確認できるはずです。最終目標は損紙投入の自動化にこの装置を使用することです。」とホウトマーキ氏は述べています。

大規模な節約を可能にする


もう一か所の製紙工場は、段ボールの製造に取り組む、Kuopio 市の Powerflute Savon Sellu 社です。ここでは、混合タンクからの流体の測定に Numcore 社の装置を使用しています。

「測定装置のおかげで、私たちは既に、後の工程で現れる裂け目に明らかに関係するであろう流体の変化に気付くことができました。後で裂け目の原因となる不純物混入のきざしを、工程のできるだけ早い段階で検出できれば、工程をより効率的に調整し、裂け目を回避することができるようになります。」と製紙工場の操業マネージャー、マルッティ ラーティカイネンは述べています。

ラーティカイネン氏によれば、この製紙工場では、損紙・トリミング屑の変化とパルプ内の精製物の量の変化に特に気を使っているそうです。

「装置によって裂け目の原因がわかれば、年間、多額の節約につながることでしょう。このような理由から、私たちは測定装置の開発作業に積極的に参加しています。」とラーティカイネン氏は述べています。/ins


Numcore 社について


Numcore 社ではインピーダンス断層撮影をもとに 3D 画像を使った新世代の測定装置と、計算手法およびそれらに必要な結果レポートを開発しています。当社の製品は問題の解決や製紙、鉱物、化学物質、食品産業の各種加工工程の効率改善などに使用できます。

当社は、迅速な業務展開と世界市場への展開を目指したフィンランド技術庁 (Tekes) の「Young Innovative Companyプログラム」の第 2 フェーズに認定されました。

キャプション 1:

Kemi の町にある Stora Enso 社の Veitsiluoto 製紙工場は世界でもっとも北に位置する製紙工場です。Numcore 社の測定装置は雑誌用抄紙機 5 に設置されています。ここでは、精製と損紙の合計量の調整のほか、原紙の品質と抄紙機の性能を改善できるよう原紙とコーティング紙の損紙の比率を調整しています。最終目標は損紙投入の自動化にこの装置を使用することです。
© Stora Enso Oyj

キャプション 2:

Kuopio 市にある Savon Sellu 社はセミケミカルパルプ製の段ボール用中しんの主要メーカーです。この製紙工場では Numcore 社の装置を使用し、混合タンクからの流体を測定しています。この工場の目標は、不純物の混入を製造工程のできるだけ早い段階で検出し、その結果に応じて製造工程のパラメーターを変更することで、潜在的な裂け目を回避することにあります。
© Savon Sellu Oy

キャプション 3:

Numcore 社のインピーダンス断層撮影をベースにした測定装置は、製紙工場の工程に統合されています。装置全体としては、センサーのほか、電圧給電、測定装置、測定結果を分析するためのアプリケーションなどが含まれます。
© Numcore Ltd


詳細については、以下までお問い合わせください:

Numcore Ltd
Jukka Hakola (ジュッカ ハコラ)
販売営業事業部長

Microkatu 1
FI-70211 Kuopio

電話 +358 40 500 1123
ファックス:+358 17 441 2051

メール: jukka.hakola@numcore.com
www.numcore.com

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Stora Enso’s Veitsiluoto Mill in Kemi is the northernmost paper mill in the world. © Stora Enso Oyj

Savon Sellu Oy’s mill in Kuopio is a major producer of semi-chemical fluting for corrugated board. © Savon Sellu Oy

Numcore’s measuring device based on impedance tomography is integrated with the paper mill’s process.© Numcore Ltd.

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