このエバポレータープラントは、クラフトパルプ製造工程で副生する黒液から水分を蒸発させ、工場 内の回収ボイラーで効率よく燃焼させるためのものです。兵庫パルプ工業株式会社の井川直樹代表取 締役専務は、

ANDRITZ のエバポレーションラインに導入された技術は生産における既存のボトルネ ックを解消し、リサイクル型の操業を支援するものです」と述べられています。

ANDRITZは、兵庫パルプ工業株式会社殿の黒液の特性に合わせた6重効用の新設黒液エバポレーショ ンプラントの納入を予定しており、それに使用されるANDRITZ独自のラメラエバポレーション技術に より、スケーリング条件に対する高い耐性が確保されます。受注内容にはファールコンデンセートの 洗浄を省エネルギーで行う、ラインに組み込んだストリッピングプラントも含まれています。これに よりクリーンな二次コンデンセートを製造し、工場内の他の工程で使用する清水の代わりとできる予 定です。

ANDRITZ Pulp ＆Paperの土棚政人キャピタル（技術）営業グループ長は、「兵庫パルプ工業殿の効 率面、サステナビリティ面の両面の改善から工場操業の向上につながる改修業務に当社が携われるこ とを大変嬉しく思います」と述べています。

今回の新規エバポレーションプラントは、2025年の第2四半期に稼働開始予定です。また、兵庫パル プ株式会社殿が持続可能性を向上させるための投資の一環として、以前当社のANDRITZ DDウォッシ ャーとポリサルファイド蒸解用の（Moxy）ポリッシングフィルターをご発注いただいています。

兵庫パルプ工業殿は、日本や東南アジアの顧客向けに、年間約20万トンの未漂白針葉樹パルプを生産 し、また、バイオマスから発電するグリーン電力も供給されています。パルプ事業と発電事業におい ては、主に廃棄される木材を原料として使用、木材資源の有効利用を推進されています。

ANDRITZについて

インターナショナルテクノロジーグループであるANDRITZは、革新的なプラント、機器、システム、 サービス、そしてデジタルソリューションなどの幅広いポートフォリオを、様々な産業やエンドユー ザに向けてご提供しています。サステナビリティは、ANDRITZの事業戦略や企業文化に欠かすことの できない要素です。ANDRITZは、持続可能な製品とソリューションの幅広いポートフォリオで持続可 能な未来に最大限貢献し、お客様がサステナビリティ目標を達成するお役に立てることを目指してい ます。ANDRITZは、Pulp & Paper（紙パルプ工場向け機器製造）、Metals（金属・自動車産業向け金 属加工装置製造）、Hydro（水力発電向け機器製造）及びSeparation（固液分離機器製造）の4つの事 業分野すべてにおけるグローバルマーケットリーダーです。技術的なリーダーシップ、世界中への事 業展開による存在感、持続可能性が、長期的な収益性の高い成長を目指すANDRITZの戦略の礎となっ ています。上場企業であるANDRITZは、約27,900人の従業員を擁し、40カ国以上に280以上の拠点を 構えています。

ANDRITZ PULP & PAPERについて

ANDRITZ Pulp & Paperは、あらゆる種類のパルプ、紙、板紙、ティシュの生産において、サステナ ブル（持続可能）な技術、オートメーション（自動化）、そしてサービスソリューションをご提供し ています。これらの技術やサービスは、生産効率の向上、総運転コストの削減、また、革新的な脱炭 素戦略や工場の自律運転などに重点を置いています。 当社の製品ポートフォリオには発電用ボイラー、排ガス浄化システム、各種不織布技術およびパネル ボード（MDF）製造システムも含まれます。廃棄物から価値を生み出すためのリサイクル、破砕やエ ネルギーソリューションにより、生産工程で生じる廃棄物や副産物は価値ある二次原料や、発電のた めの持続可能な資源に変換されます。これらにMetrisデジタル化ソリューションの一環として最先端 のIIoT技術もご提供し、包括的な製品ラインアップを実現しています。